可能性は、無限大。

マテリアルハザードMATERIAL HAZARD EQUIPMENT

高薬理活性物質やナノ粒子などの高度な封じ込め設備を提供

近年、医薬分野において高薬理活性物質の取扱いが増加しています。
ダルトンでは長年培ってきた封じ込め技術により、さまざまな研究や製造ニーズにお応えできる設備をトータルシステムとしてご提案いたします。

人と物の入退室動線を踏まえたプランニング

マテリアルハザードルームレイアウト例

マテリアルハザードルームレイアウト例

  • 1. 前室(一次更衣室)

    入退室時の共用で管理区域外より負圧に保持されています。室内にはロッカー、手洗い器などが設置されており、外部用履物や上着を着替えて入退室前の手洗いを行います。

  • 2. 着衣室(二次更衣室)

    前室より負圧に保持されています。室内にはロッカーが設置されており、室内作業専用の防護服、手袋、マスク、ゴーグル等の服装に着替えて、エアロック室入室前に室内専用の履物(長靴等)に履き替えます。

  • 3. エアロック室(入退室用)

    隣室(着脱衣室、本室)より正圧に保持されています。扉は同時に開閉しないようインターロックをとり、入退室時の外部からの気流流入を防止して、外部環境との交叉汚染を防止します。

  • 4. 本室(作業場)

    管理区域内で最も負圧に保持されています。ナノマテリアル対策キャビネットや封じ込めアイソレータシステムなどの専用の封じ込め機器や関連する機器が一式装備されるスペースが確保されています。

  • 5. 脱衣室(二次更衣室)

    前室より負圧に保持されています。本室(作業場)より退室する際に室内作業専用の防護服などを脱衣し、手洗いをして退室します。脱衣した防護服などは、全て廃棄処分としバックアウトポートより密閉した状態で廃棄します。

  • 6. 空調機械室

    パッケージエアコンや排気ファンなどの給排気設備を設置します。

エンジニアリングノウハウにより
適切な設備を実現

封じ込め機器の選定基準

STEP1
ばく露度の設定

想定ばく露区分(PE:Predicted Exposure)の選定

医薬品製造工程での薬剤の状態とその1日あたりの取扱量を指標として、各工程のばく露度を想定ばく露区分(PE)として、ばく露区分表通りに設定するものとする。

ばく露区分表

ばく露区分表

薬剤の状態について

中間製品は、工程の進捗とともにその状態を変化させる。その変化は、各工程の前後で起こる。従って、各工程における取扱物質の状態は、その工程への(中間)製品の供給、工程操作自体、及び(中間)製品の払出しに対して設定される。医薬品製造工程における薬剤の代表的な状態を以下の通り「ばく露しやすい状態」として低・中・高の分類を設定している。
低:液剤/懸濁液剤、外掃後のソフトカプセル、コーティング錠など
中:裸錠、湿潤粉体、湿式ペレット、外掃前のソフトカプセル、外掃が困難なハードカプセル、コーティング顆粒など
高:微粉、粉末剤、散剤、細剤、造粒乾燥品、凍結乾燥品など

取扱量について

COSHH Essentialsの取扱量の区分は、グラム(g)単位、キログラム(kg)単位、トン(t)単位であるが、医薬品製造ではこうした数値は現実的でない。 また、研究室や品質管理室での取扱いに対しても適用できるように微量、少量の取扱量を設定した。上表は秤量作業でイメージした量を示す。

STEP2
ばく露限界区分の設定

対象の薬剤に対して必要な封じ込め対象を規定していくために、ハザード特性を区分することが有効的である。こうした区分は、医薬品製造現場のみならず多くの工場で、産業衛生リスク低減策を規定するために設定されている。その多くは、OELをベースにしていて、OEB(Occupational Exposure Band)と呼称されていることが多い。産業衛生リスクだけではなく、交叉汚染リスクの観点からもリスクの低減をはかることから、ハザード特性区分をOEL、ADE、ASLを指標として、ばく露限界区分表の通り設定する。こうした区分を設けることで、社内で取り扱う薬剤に対するハザード特性の理解を共有することが容易になる。

ばく露限界区分表

STEP3
封じ込め性能区分(EC:Engineering Control)の設定

封じ込め性能設定表

各工程操作において想定されるばく露をばく露区分とし、そのばく露を対象薬剤のばく露限界まで抑制するために適用されるべき封じ込め性能区分が設定される。
ばく露測定などから設定した封じ込め性能区分(EC区分)である。

封じ込め性能設定表

各工程操作で、対象薬剤が、許容限界以下のばく露で取り扱われるためには、その工程におけるその状態と取扱量、及びそのばく露限界に応じた適当な封じ込め機能(工程操作による非製品接触部への移送・ 飛散を抑制又は制限する設備や施設)が必要となる。

封じ込め性能の分類について

製剤工程で使用される一般的な封じ込め性能は、その「工程操作」と「薬剤残留部の除染操作」がどれだけ封じ込めされているかによって、概ね4つの封じ込め性能グループ(EC)に大別される。封じ込め機能の区分名称をEC(Engineering Control)とする。

※引用文献:製剤設備エンジニアリングガイドII(ファルマソリューションズ株式会社)

自社基準による封じ込め評価

封じ込め評価について

ISPE※1が発行した、SMEPAC※2に準じて社内検討した秤量・溶解操作、移し変え操作のサンプリング測定として、8-hourTWA※3<1μg/ m3の結果を取得しております。(CSB-1500Sで実施)

試験概要

ラクトース50gを使用し、そのうち1gを溶解させて試験を実施。

上記より想定ばく露区分の選定ができ、ばく露限界ハザード区分を今回の測定結果からOEL0.15~1μgとし、封じ込め性能設定をするとEC3 となります。
※あくまで基本性能の結果を得るために自社で行った結果であり、納入後の性能を保証するものではありません。

※1 International Society for Pharmaceutical Engineering,Inc(.国際製薬技術協会)
※2 The Standardized Measurement of Equipment Particulate Airborne Concentration (製薬機器の粒子封じ込め性能評価)
※3 Time Weighted Average(時間加重平均)

秤量精度評価について

秤量器を用いて秤量精度の試験を行い、庫内気流の影響を検証し、以下に記載した自社判定基準をクリアする結果を取得しております。(CSB-1500Sで実施)

判定基準

※あくまで基本性能の結果を得るために自社で行った結果であり、納入後の性能を保証するものではありません。

使用秤量器スペック

ひょう量 : 220g
最小表示 : 0.01mg
繰返し性 (標準質量時) : 0.03mg (200g)
繰返し性 (低質量時) : 0.015m g (10g)

試験概要

① 校正用分銅を用いて、3回測定後各々の秤量値の平均を算出する。 ●ダウンフロー(風速0.5m/s)有無 両パターン確認
●排気による気流影響を確認
② 10mg分銅を用いて6回連続測定を行い、再現性を評価する。
●ダウンフロー(風速0.5m/s)有無 両パターン確認

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