DISCOVER LABORATORY

学際的に英知をつなぎ、
脳の未知領域に挑む研究拠点。

研究者の心を潤わせ、
さまざまな交流を促す空間創造。

日本唯一の自然科学の総合研究所として広く知られ、国内外に多くの拠点を有する「国立研究開発法人理化学研究所」。同研究所の脳科学の中核的な拠点である脳科学総合研究センター (BSI)において、神経回路機構を解析するために設置したのが、広々としたオープンラボと動物実験施設の備わった「神経回路遺伝学研究棟」です。同棟の新築にあたっては、ノーベル生理学・医学賞に輝いた利根川進BSI センター長(当時)が構想段階から先頭に立ち、研究者の視点で理想的なラボ環境を追求。木目調の素材が使用されたファニチャーを主に選定するなど、心を和らげる快適な空間づくりとともに、研究のブレイクスルーにつながる交流の場も随所に設けられています。

天窓から太陽の光が差し込む「ロビー」の中央には、心が癒される緑豊かな木々が植えられています。

集中しやすい壁面のデスクから会話が弾む円卓まで、目的や気分によって自由に座席が選べる、飼育・技術スタッフの居室。

1 階には、木々を囲むようにソファーなどが置かれた吹き抜けのロビー、少人数での会話に集中できる談話室、大人数での会合に適したセミナー室などを設置。個人的な気分転換からグループでのミーティングまで、目的や人数に応じて使い分けられる共用空間が用意されています。

実験スペースとデスクワーク・スペース間の行き来がしやすく、研究チームの枠を超えて交流がしやすい広々とした「オープンラボ」。
特注の木製実験台は、立ち作業がしやすい天板高にし、収納力に優れた試薬棚も設置しています。

多くの場所で会話が生まれ、
居心地の良い職場環境を実現。

同棟1 階には、3 つの研究チームで共用するオープンラボを2 カ所設置。研究テーマの変化や人員の増減に対応できる空間になっています。その特色は、実験スペースとデスクワーク・スペースの間を引き戸の付いた大型ガラスで仕切っていることです。安全性を確保しつつも、見通しが利き、行き来もスムーズなため、研究者同士がコミュニケーションしやすくなっています。また、実験台やデスクの配置間隔を広く確保。実験スペースでは作業者の後ろを通り抜けやすく、デスクワーク・スペースではチェアを後ろに回すだけで、数人で話し合えるスペースとして活用できます。
そして、同棟の2 〜3 階には神経回路の研究に不可欠な動物実験施設を設置。マウス、ラット用ケージの無人搬送台車(AGV)や自動洗浄機の導入などで省力化を推進しています。また、飼育・技術スタッフには、3 階の採光に優れた角部屋にフリーアドレス制の居室を用意。研究者だけではなくすべてのスタッフの快適性を高め、交流を促す工夫が棟内全体に行き届いています。

壁などにカラフルな色合いを選択し、従来のラボとは異なる明るいイメージを演出。共用機器スペースを挟んで左右に配置した「オープンラボ」の壁面は、グリーンとオレンジで明確に色分けされています。

無人搬送台車(AGV)が遠隔操作できるシステムを構築し、マウスやラットのケージの搬送作業を自動化しています。


国立研究開発法人理化学研究所 脳科学総合研究センター(BSI) 神経回路遺伝学研究棟


所在地
埼玉県和光市広沢2-1
敷地面積
4,583㎡
工期
2009年12月〜2011年2月
延床面積
9,567㎡
設計・監理
株式会社山下設計
階数
地上4階

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