DISCOVER LABORATORY

教育と社会の両面から、
より安全で環境に優しい実験室に。

実験に関する安全・環境配慮を探究する、
学問の新領域へ。

東京大学の大島義人教授が熱意を傾けているのは、学問の新分野である「環境安全学」の土台を築き、広く社会に役立てることです。環境安全学では、化学実験に関するリスクを解析し、安全に研究を進めるための方法論の確立を目指しています。また、「安全学」ではなく「環境安全学」である理由は、実験室から排出されるガスが周辺に与える影響や、設備機器の環境負荷を低減する技術など環境への配慮も視野に入れた学問だからです。
当初は、環境安全に十分に配慮された研究教育環境を整備するため、大学等環境安全協議会(当時、大学等廃棄物処理施設協議会)において「環境安全学の創成と教育プログラムの開発」をテーマに推進。その後、学内での教育はもとより自らが立ち上げた「研究実験施設・環境安全教育研究会(REHSE =レーゼ)」という社会に開かれた組織でも同時に取組まれ、教育と社会の両面から環境安全学の普及に尽力。
化学実験に関する安全と環境を融合させた新しい学問領域の構築に力を注がれています。

多様な手法で実験室を解析し、
より広く社会への貢献を。

大島教授は、環境安全学の価値を広く伝えるため、学内に「モデル実験室」を設置。「実験室を科学する」という視点から、さまざまなアプローチを行っています。例えば、木箱を組み合わせて実験台などに見立て、その配置を変えることで、実験者の動線や視線に与える影響を人間工学的に解析。設備機器の最適な配置や通路幅の確保などに役立てようとしています。

実験台をはじめとしたさまざまな設備機器の代わりとして組立てる「木箱」。

ドラフトチャンバーの実機を使用し、スモークを発生させることで、気流を可視化。

また、ドラフトチャンバーの場合は、スモークを発生させることで、気流の状態を可視化。前面サッシの開き方によって、化学物質を取り扱う安全性にどの程度の差が出るかについて実感できるようにしています。そして、通常は室外に設置する給排気装置を実験室内に配置。給気ファンから排気口までの気体の通路を見えるようにし、空気環境を守る給排気装置の仕組みがより深く理解できるようにしています。
REHSE の活動においては、NPO 法人へと発展。安全教育手法の開発はもとより安全講習の実施や相談窓口の開設などによって、普及促進の輪が広がり続けています。

REHSEの活動の4つの柱

研究実験施設の環境安全について
  1. 現場の問題解決を支援する
  2. 合理的な基準を提案する
  3. 人材育成の方策や教育を提案する
  4. 新しい学問領域を築く

安全講習の実施

  • ●実演付き化学物質安全講習会
  • ●危機管理ロールプレイング講習
  • ●小中高等学校における理科実験指導者育成研修
  • ●企業の新人対象から管理者・研究者対象までの様々な社員研修

安全ツールの提供

  • ●化学物質リスク情報可視化システム
    化学物質の危険有害性を簡単に分かりやすくまとめたツール
  • ●フード屋の魂
    局所排気設備の基礎知識や関連法規などを取りまとめたWeb&DVD

学び合う機会の提供

  • ●総会、研究会
  • ●安全衛生チェックリスト作成小委員会
  • ●ヒュームフード推奨基準作成小委員会

東京大学 柏キャンパス 環境棟 大島研究室(大学院 新領域創成科学研究科環境システム学専攻)


所在地
千葉県柏市柏の葉5-1-5東京大学柏キャンパス 環境棟 4階

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実例ギャラリー
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